セミナーや名刺交換会とはひと味違うスタイル

交流会の最中はとにかく笑いが絶えない。「喜劇を見に行くよりオモロイでっせ」という会員の声も

一見、進行も統率もない集まりである。代表の中尾吉宏さんがこの異業種交流会のために借りたオフィスには、開始時間を過ぎたあたりからメンバーが少しずつ姿を見せ始める。そしてフロアのあちこちで、2人、3人と集まって熱心に何かを話し合ったり笑い声を上げたりと、思い思いに交流を楽しむ。一般的なセミナーや名刺交換会とは全く異なるスタイルだ。夜9時を過ぎる頃には缶ビールを手に、会話がどんどん盛り上がり、そのまま外へ飲みに出かけることも少なくない。

話題はビジネスに関する様々な情報交換や意見交換、トラブルや悩み事の相談などと幅広く、その場にいるメンバーが相談事に対してあれこれアドバイスを行うことも多い。

会員からは「中身が濃い」「勉強になる」「ヒントがごろごろ転がっている」という感想が聞こえてくる。中尾さんが大阪でこの異業種交流会を発足させて今年で丸10年。その間、2002年には東京で、2005年には熊本でも活動をスタートさせている。

「この10年間に数多くの会員が起業し、スケールアップをした人もたくさんいます。本人が気づいていない、その人のすごいところを引っ張り出すのが僕の役目だと思っています。僕自身もみんなと一緒に考え、行動することで、多少は成長できたと思います。長続きした秘けつは、とくにテーマを設けたりせず自然の流れでやってきたことと、誰も僕に過大な期待をしてないからとちゃいますか(笑)」。そう中尾さんは笑う。

会員のほとんどは起業家や起業志望者で20〜40代が中心。その数は増加の一途をたどる。この会では中尾さん自身が面談を行って、入会の可否を判断している。

「面接というよりは起業の相談に乗るといったほうがいいですね。その話をしっかり聞いたうえで、自分がその人の起業をサポートする気になれるかどうかで判断しています。起業に対するそれなりの覚悟や考えがあるか。自分から何かを獲得しようという意気込みがあるか。そこを重視しています。またお会いして1週間で入会しなければ、その後の入会はお断りしています。無理に縁をつくる必要はお互いありませんから」

会費5000円は決して高くない?

込みいった会話はオフィス内のブースで。ここを使って一気に商談をまとめ上げる会員たちもいる

ところで、この来夢は月5000円の会費制。異業種交流会としては決して安い部類ではない。が、それを払っても会員であり続けるメリットが大きいという人は多い。

「僕は会員のためのスタッフ。会員がいざという時、相談に乗ったり、直接駆けつけて手助けをしたりすることもあります。そのための会費だと思っています。最近は会員からの相談依頼メールが増えました。1日平均50通にもなります。正直クタクタです。みんなには、儲かったら自主的に会費をアップするようにと言っています(笑)」

「来夢を開催してほしい」という要望があれば、全国どこへでも出かけていくという。また、協力者やパートナーを求める人同士をマッチングさせる際にも、定例会で引き合わせるだけではなく、相手のいる地域にまで出向くケースもあるという。根っからの行動派。その腰の軽さも来夢の人気を支えている要因にもなっている。

来夢では交流会以外にも、これまでフランスでのイベント開催や中国への視察旅行など多彩な活動を展開してきた。最近では障害者自立支援のための事業や、オフィスを活用した起業家のインキュベーションにもチャレンジし始めている。

また、中尾さんを中心に起業家たちが集まって出版する『かなり不揃いの起業家たち』という書籍はシリーズ化に成功。次回作がシリーズ7作目になる。

「ちょうど今、次回作の出版準備に取り掛かっていて、書き手を募集している最中です。来夢の会員ではなくてもOK。自分の本を出してみたいという方には、いいチャンスだと思いますよ」とのこと。

入会方法

  • 入会資格

    起業家またはこれから起業を目指す人。ネットワークビジネスなどの勧誘や営業を目的とした人の入会は不可

  • 日時・会場

    東京・毎月第4金曜日 港区赤坂

    大阪・毎月第1金曜日 中央区本町

    熊本・年2回開催

  • 会費

    入会金/1万5000円 月会費/5000円

  • 申し込み方法

    ホームページ、メルマガ参照のうえメールにて申し込む

    http://kigyoukacircle.com/

[2008.03.28]
代表
中尾 吉宏 さん

高校卒業後、ロサンゼルスに留学。その後、数度にわたり渡米するが「ラスベガスですっからかん」になって帰国。様々な職業を経験し、結婚相談所を開設。1998年に関西起業家サークル来夢を旗揚げ。その後、東京や熊本での活動も開始。2004年には、「NPO法人日本きぎょうコミュニティ」を設立し理事長に就任。

参加者のコメント

(株)シンク・ジャパン
植野 匡英 さん

毛皮製品の企画会社を経営しています。勤務先を辞めて何をしようか悩んでいた時、一念発起して会社の設立に向かうパワーを与えてくれたのが中尾さんです。相手のタイプを見て、盛り立てるのがうまい人ですね。この会では雑談の中から面白いアイデアが飛び出して、いろんなコラボも生まれます。現在は障害者自立への貢献を目的とした商材を、会員同士で開発しているところです。

RedBeans
小豆 佳代 さん

丹波篠山産の野菜を商品としたネット通販を手がけています。来夢に参加するようになって3年になりますが、他団体とはひと味もふた味も違う交流会だとつくづく感じます。最初は参加者となかなか話が合わなかったのですが、自分自身も起業家としての経験を積んできたおかげで、今では交流会でやりとりした会話の中身を仕事に生かせるようになりました。使いこなせれば最高の交流会ですね。

big・heart.mum
山本 しのぶ さん

カイロプラクティックを行っています。中尾さんとはもともと飲み仲間で、来夢の懇親会に遊びに来て会員たちと知り合い、影響を受けて自分も独立を決意した経緯があります。入会後、メーリングリストで中尾さんの起業に対する熱い思いを知り、飲み屋で見かける彼とは別人かと思いました(笑)。時にはしかられながらも、ちゃんと見守ってもらえたので、安心して独立することができました。

エンマルシェ
児島 一平 さん

レンタルボックスの店舗を運営しています。来夢の会員はキャラの濃い人が多いので、最初はとっつきにくかったんですが、私の事業を左右するほどの情報を持っている人もいて、その層の厚さには驚かされました。参加している最大のメリットはやはり中尾さんの存在。何かあった時、自分のために動いてくれる人がいる安心感は大きい。それが得られると思えば、会費の5000円は安いですよ。

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